イーハトーポ
今日は風が氷のように冷たくて、たまたま通りかかった下北沢のイーハトーポという珈琲店にてしばしの時間を過ごした。
茶色い生地のまま陽に焼けたりいろんな匂いがしみ込んで古びた木の板で囲まれた狭い店内はどこをとっても懐かしい感じ。
名古屋・栄のジャズ喫茶(名前わすれちゃったぁ)、打ちひしがれた日々に彷徨い入った喫茶店(彷徨ったので場所も名前も覚えていないが、他にお客のいない店で、Billy Holidayを片面かけたあと黙ってNina Cimone“Nina Simone And Piano (1969)”をかけてくれた。)。
それと、懐かしい、金沢・柿ノ木畠の今はなきレコード店・パイドパイパーハウス、その下のもっきりや、小立野の今はなきジャズ・カレーやさん・ジョーハウス、あたごおる…いや、どこの街にもこんなふうな、ちょうどよい狭さと薄暗さとささやかさとゆるぎなさを宿している店はあるものだ。
こういう店を持っているかどうかでその街の気質がはかられるし、自分の居場所が測られる。
こういう居場所を持っているかどうかで自分とその土地のコミットメントがはかられる。
一緒にいた人は、東北の北端の寒い街にありそうな、って言っていた。
イーハトーポだからねぇ、どこか雪深い街の小さな隠れ家みたいな、あったかいエアポケットみたいな場所なのかもね。
(ところでイーハトープなの?トーポなの?)
店内は窓際にいた自分のところまで暖房が届かずちょっと寒かったので、向こうにあるストーブがちょっとうらやましくて席を立って暖をとる、そんな感じも、自分にとっては四半世紀もタイムスリップして、雪がしきりと降りそそぐ金沢の街でジャミジャミに乱され凍った車道の雪を踏みながらこんな店に逃げ込み、ほっと頬を包む空気に出会う瞬間の懐かしさを彷彿とさせるのだった。
とはいえここはここ、見知らぬ街の見知らぬ店はまだ金沢の店のような親密な気配はかもしていない。こちらもまだ店の趣味を観察している。
少し寒さも落ち着いたころにCDを平置きしている机を眺め、鈴木翁二さんのCD発見。
鈴木翁二さんは会ってみたい人物のかなり上位にランキングしている漫画家さんだ。
『Art it』でアーティストが選ぶ好きな漫画家アンケートでも筆頭にあげておいた。
「花嫁」「エミリさんの子」「歌の町」は抱いて死にたいですよもぅ。
(だから犬には弱いんだってば。)
もしかしたらいつか会えるかもしれないと思った。
カップを両手でつつんで珈琲の温かさを手のひらから身体の中心まで届かせられるかな、とか、クリームパンのクリーム、甘いバターみたいだな、と思ったりしているうちにだんだん外には夕のとばりが。
針のような三日月が(どっかで聞いたような表現だな)群青色の濃いところの中にくっきりと浮かんで、風はますます氷のように冷たい。
Crocodile/underworld
Wnderwall/OASIS
Sunflower/Paul waller
Seattle/P.I.L
Honey power/My bloody Valentine
Instrumantal 2/Paul Waller
の途中で家に着くと、「temperament」 のポストカードが納品されていた。
年賀状をくださったみなさんに、これから返信を書きます。
午前5時。今日の最後に宮沢賢治の詩を。
+*+*+*+
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテイル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニイテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニソウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイイトイヒ
北ニケンクワヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
茶色い生地のまま陽に焼けたりいろんな匂いがしみ込んで古びた木の板で囲まれた狭い店内はどこをとっても懐かしい感じ。
名古屋・栄のジャズ喫茶(名前わすれちゃったぁ)、打ちひしがれた日々に彷徨い入った喫茶店(彷徨ったので場所も名前も覚えていないが、他にお客のいない店で、Billy Holidayを片面かけたあと黙ってNina Cimone“Nina Simone And Piano (1969)”をかけてくれた。)。
それと、懐かしい、金沢・柿ノ木畠の今はなきレコード店・パイドパイパーハウス、その下のもっきりや、小立野の今はなきジャズ・カレーやさん・ジョーハウス、あたごおる…いや、どこの街にもこんなふうな、ちょうどよい狭さと薄暗さとささやかさとゆるぎなさを宿している店はあるものだ。
こういう店を持っているかどうかでその街の気質がはかられるし、自分の居場所が測られる。
こういう居場所を持っているかどうかで自分とその土地のコミットメントがはかられる。
一緒にいた人は、東北の北端の寒い街にありそうな、って言っていた。
イーハトーポだからねぇ、どこか雪深い街の小さな隠れ家みたいな、あったかいエアポケットみたいな場所なのかもね。
(ところでイーハトープなの?トーポなの?)
店内は窓際にいた自分のところまで暖房が届かずちょっと寒かったので、向こうにあるストーブがちょっとうらやましくて席を立って暖をとる、そんな感じも、自分にとっては四半世紀もタイムスリップして、雪がしきりと降りそそぐ金沢の街でジャミジャミに乱され凍った車道の雪を踏みながらこんな店に逃げ込み、ほっと頬を包む空気に出会う瞬間の懐かしさを彷彿とさせるのだった。
とはいえここはここ、見知らぬ街の見知らぬ店はまだ金沢の店のような親密な気配はかもしていない。こちらもまだ店の趣味を観察している。
少し寒さも落ち着いたころにCDを平置きしている机を眺め、鈴木翁二さんのCD発見。
鈴木翁二さんは会ってみたい人物のかなり上位にランキングしている漫画家さんだ。
『Art it』でアーティストが選ぶ好きな漫画家アンケートでも筆頭にあげておいた。
「花嫁」「エミリさんの子」「歌の町」は抱いて死にたいですよもぅ。
(だから犬には弱いんだってば。)
もしかしたらいつか会えるかもしれないと思った。
カップを両手でつつんで珈琲の温かさを手のひらから身体の中心まで届かせられるかな、とか、クリームパンのクリーム、甘いバターみたいだな、と思ったりしているうちにだんだん外には夕のとばりが。
針のような三日月が(どっかで聞いたような表現だな)群青色の濃いところの中にくっきりと浮かんで、風はますます氷のように冷たい。
Crocodile/underworld
Wnderwall/OASIS
Sunflower/Paul waller
Seattle/P.I.L
Honey power/My bloody Valentine
Instrumantal 2/Paul Waller
の途中で家に着くと、「temperament」 のポストカードが納品されていた。
年賀状をくださったみなさんに、これから返信を書きます。
午前5時。今日の最後に宮沢賢治の詩を。
+*+*+*+
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテイル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニイテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニソウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイイトイヒ
北ニケンクワヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
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