鱧と夏の名残

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7月くらいから、友人からと、鱧を味わいに行こう、と音信交わしていたものの、いよいよ8月中には予定合いそうにないから来月入ってから名残の鱧かもね…となっていた折に魚屋さんで鱧が寝ていたので鱧の予習をしました。

鱧という響きは小津映画を呼び起こし、ひととおり『秋刀魚の味』を見直してから鱧るのが儀式なのであります。
そういう意味で、鱧は、幾重にも、しみじみと深い味が湧きます。

鱧は、マドレーヌがプルーストを、続いて映画の『失われた時を求めて』のセリフや色調をまざまざと思い出すトリガーであるように、小津映画の肌触りというか目触りというか、日本のある時期の姿を、まざまざと呼び起こすトリガーなのです。

笠智衆さんの醸す静けさはいつも基盤的に、その映画の物語全体を体現しているように思います。
ほとんど対局のようなやりかたでそれに匹敵するのが、マルチェロ・マストロヤンニという俳優だなぁと思っていたら、
『みんな元気』(Stanno tutti bene, 英題: Everybody's Fine)での老父がマストロヤンニで、この俳優を選んだ監督さん(ジュゼッペ・トルナトーレ監督)もそう思ったのかな、と、25年くらい前に映画館の画面を眺めながら思ったもの。

話はいつしか『東京物語』に移行してるのですが、ぐるっと巡って、鱧は『秋刀魚の味』で、今まさにこの時期を名残り惜しみつつ味わうのであります。

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